寒くない地域でも起こりえる!? お家の屋根材などに起こる凍害の実態

【台風19・20号接近に関する注意のお知らせ 8/21更新】
 現在、台風19号・20号が連続して日本に近づいてきております。非常に強い勢力の台風19号は九州・奄美地方へ接近するとみられております。また台風20号は8/23には四国の南を北上し、23日から24日にかけて強い勢力を保持しながら上陸する恐れがあるとみられております。台風接近時や通過後には猛烈な雨や風による建物への被害が必ず発生しています。また台風接近中や通過直後、屋根にのぼって怪我をしてしまう方も毎度のように発生しています。暴風・暴雨への警戒を強めてください。
 万が一台風による被害を受けた方・受けたかもしれない方は街の屋根やさんにご相談ください。点検はもちろん可能な限りの応急処置にもその場で対応いたします。

建材、住まいの大敵である含水、凍害への対処法

貴方のお住まいの地域、お家などに凍害が起こる心配はありませんか?

凍害は水たまりに氷が張る地域であれば起こりえます
 寒い冬、その寒さから私達を守ってくれているのがお家です。
 人体に負担をかけているこの寒さ、お家にも同様なのはご存知でしょうか。
 寒い地域では当然のこととして知られている「凍害」、これが比較的、温暖な地域でも起こりえることをご存知でしょうか。
 例えば、外に設置されている水道が凍る目安は外気温がマイナス以下とされています。しかし、風が強い地域ではマイナス1℃~マイナス2℃でも発生する可能性があるのです。
 水溜りなどに氷が張る地域なら、起こりえることを理解しておきましょう。

凍害は建材に染みた水分が凍ることによって発生します
固体・液体・気体で体積が変化することが原因

通常物質の体積は個体、液体、気体の順で大きくなるが水は液体よりも個体が大きい

 物質はどんなものも固体・液体・気体の状態があります。水も固体の状態では氷、液体では水、気体では水蒸気です。

 ほとんどの場合、物質の体積は固体<液体<気体となり、固体が一番小さく、気体が一番大きいのですが、水の場合は液体が一番小さく、気体が一番大きいのです。

 水ではつまり、液体<固体<気体となります。同じ1gの体積を水と氷で較べてみると、水(液体)は1立法センチメートルですが、氷は1.09立法センチメートルになります。氷の方が10%程度、大きいのです。

水は液体より約110%ほど個体の方が体積が大きい

 気体の場合、流動性が大きく、圧縮もされます。

 液体の場合も流動性があるので体積が増えても隙間があればそちらへ逃げていきます。固体は圧縮も流動性もなく、その場で大きくなりますから、建材にかかる負担はかなりのものになります。

 こうやって建材の隙間に入り込んだ水は氷になることにより、クラックやひび割れを発生させ、それを押し広げ、破壊していくのです。


 余談ですが、このような性質を持つ液体は以上液体と呼ばれ、水の他、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウム、ビスマスの計5種類しか存在しません。

実際に起こった凍害にはこんなものがあります

凍害による漆喰の剥がれ

●瓦屋根の漆喰が割れてしまった

凍害で欠けた瓦屋根

●屋根全体の瓦が欠けてしまった

凍害で破壊されたブロック

●ブロック塀の表面が剥がれて崩れだした

凍害で剥がれた外壁

●外壁の表面が剥がれてきてしまった

凍害で剥がれた窯業系サイディング

●窯業系サイディングの表面が崩れてきている

凍害で押し広げられたクラック

●外壁のクラックが大きくなってきた

凍害が起こるメカニズムの詳細を解説!

ステップ1含水

 飛来物などで傷ついてしまったり、塗膜が薄くなったりして防水性が落ちたところに雨、夜露、霜や雪の溶けた水が染み込む。

ステップ2体積が膨張

 気温が下がって液体だった水が凍って氷となり、体積が膨張し、傷や塗膜の剥がれを大きくする。

ステップ3膨張し大きくなった傷からさらに含水

 傷や塗膜の剥がれが大きくなった分だけ、水が染みやすくなり、それが凍ることによってひび割れやクラックに発展する。

ステップ4剥離、割れ

 ひび割れやクラックに発展したことにより、更に水が染みやすくなり、最終的には膨張に耐えられず、剥離したり、割れてしまう。

氷

 小さい頃、氷を作ろうと思い、ガラスのグラスに水を入れ、冷凍庫に入れたら、割れてしまったという思い出はないでしょうか。基本的には凍害も全く一緒です。

 水が氷になる際に膨張する力は凄まじいものがあり、温度にもよりますが約2,000気圧に相当すると言われています。1平方センチメートルあたり約2tですから、どんなものでも簡単に破壊されてしまうのです。雨水はさまざまな不純物を含んでいるため、実際にはここまでの力はないかもしれませんが、いとも簡単に建材を壊してしまう理屈も分かります。

凍害を防ぐ方法1
水を含みにくい建材を使う

 JIS(日本工業規格)では各屋根材と外壁材についてそれぞれ吸水率が以下になるよう定めており、さまざまな試験を行っています。

各屋根材の吸水率

凍害対策に最適な屋根材

凍害に強い金属屋根

 意外かもしれませんが、粘土やセメントといった土由来の建築資材はどんなものでも、新品の時から水分を含んでいます。


 水分を含んでいない建材は金属の鋼板しかありません。屋根カバーや屋根葺き替えではガルバリウムなどの金属屋根材を選択するのも一つの手です。

 外壁の張り替えや外壁カバーでも金属製のものを選ぶのがお薦めです。

吸水率5%前後の石州瓦

 粘土瓦はいずれも10%以上の吸水率となっています。

 一般的に瓦は凍害が多いので、積雪地帯に向かないと言われていますが、実は豪雪地帯でも北陸地方になると瓦屋根が多く見られるのです。こちらは石州瓦と呼ばれるもので、吸水率が5%前後と低いため、極めて凍害がおきづらいのです。


 瓦屋根にしたいという方はこういった吸水率の低い瓦をお薦めします。

凍害を防ぐ方法2
水が染みこまないように徹底的に防御する

屋根塗装風景

 多くの場合、建材は塗装されることによって防水性を向上させています。

 屋根も外壁も塗装が必要なところは早めに塗り替えを行うことによって凍害を防げます。

 窯業系サイディングの目地のシーリングは特に傷みが出やすく、水が染み込みやすい部分でもあるので、定期的に点検し、傷んでいるようなら補修をしてあげてください。

また、凍害の被害を受けてしまった場合は早めに補修することが大事です。

チョーキングが発生した外壁

 チョーキング現象などが発生したら、早めに塗り替えを行ってあげましょう。

 防水性を回復させることで凍害を防ぐことができます。

ひびが入った外壁

 天候は気紛れで、フライング気味に寒波が押し寄せることもあります。

 寒い地方の方は中秋前に補修を終えておいた方がいいでしょう。

傷んだシーリング

 前述のように窯業系サイディングのシーリングは傷みやすいところです。

 また、窯業系サイディングはこの目地の近くに釘が打って固定されています。釘の頭が露出していたり、ここが起点となってひび割れやクラックが発生していることもあります。念入りに見てあげてください。

凍害でお住まいに深刻なダメージを与える前に街の屋根やさんにご相談ください

 凍る・凍らないに関わらず、建材が水分を吸収すると劣化を早める原因となります。

 水分を吸収すればその分、体積は増えますし、それが乾燥する時に体積が元に戻ります。このような湿乾伸縮を繰り返すと、伸縮に付いていけず表面の塗膜が割れたり、建材そのものが変形したり、反ったりします。

 夜毎、氷点下になる地域ではすぐに凍害が起こり、割れてしまうでしょう。

 防水性については常に気をつけないといけないのはどの地域でも同じなのです。