美しい風合いのモニエル瓦、セメント瓦の違いと劣化の注意点
モニエル瓦は、輸入品の瓦屋根で、1970~1980年代にかけて人気を集めていた屋根材です。自然な風合いや質感が特徴で主にヨーロッパで広く普及しており、色のバリエーションも豊かです。
モニエル瓦はコンクリートでできており、日本モニエルという会社が代理店となり、取り扱っていました。しかし、現在ではモニエル瓦は生産されておらず、セメント瓦と呼ばれることもあります。
どちらもコンクリートが主成分であり外観が似ていますが、瓦の切り口や断面図で見分けることができます。
セメント瓦の小口は平らで滑らかな仕上がりですが、モニエル瓦の小口は凹凸があります。
また、セメント瓦とモニエル瓦では塗装方法も異なります。
モニエル瓦は一般的には塗装されることはあまりありません。ともにコンクリートが主成分のため、そのままでは防水性がなく、塗装の塗膜により防水性を保ちます。
モニエル瓦の場合、瓦の処理が特殊なため着色スラリーという層があり、その上から塗装が施されています。
セメント瓦の塗装は外壁塗装などと同様の工程で行われます。
モニエル瓦のお家にお住まいの方は、屋根に以下の症状が見られたらメンテナンスを検討しましょう。
まず、色あせが起こります。モニエル瓦は塗装をしているため、経年で塗料が劣化すると色あせが見られます。
また、苔、藻、カビの発生も注意が必要です。塗料が劣化するとモニエル瓦が雨を吸収し、そこへ苔などが発生します。特に日光が当たりにくい方角の屋根で多く発生します。
さらに、瓦のひび割れや欠けも塗料の劣化が原因です。塗料が劣化するとモニエル瓦が雨を防水できずに吸収し、乾燥と雨の繰り返しでひび割れや欠けが生じます。これらの症状が見られた場合は、早めのメンテナンスが必要です。
前述しましたがモニエル瓦にはスラリー層という下地が存在し、そのため塗装にも非常に注意が必要です。
程度、状況にもよりますがスラリー層を強化する、または完全に除去する必要があり、かなりの技術を擁する屋根材とも言えます。
自然の風合いが美しいモニエル瓦ですが、そのメンテナンスには注意が必要です。早期の発見が肝心。何かありましたら、街の屋根やさんまでご相談ください。
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