安城市で古瓦屋根の点検に行ってきました。
今回は安城市からの点検依頼です。
平屋の築60年オーバーの建物から雨漏れ被害が出ているとの事でした。屋根はご覧の形で切妻です。
皆さんが多く見る屋根の形はこの「切妻」か「寄棟」だと思います。切妻は棟一本なので比較的雨漏れは起こりにくいのですが・・・。
しかし年数の経っている瓦です。所々劣化してくるものです。聞くと都度軽い補修も行ってきたとの事。しかし写真のような棟部分は一般の方ではほぼ何もできません。経年劣化による下地の変形や漆喰劣化によっておこる棟の歪みが出ています。
鬼瓦も棟の両端についていますがこの通り隙間ができています。本来は隙間を埋めるように漆喰が施工されています。
そして隙間を見ると土が見えるのが分かります。雨水にあたると当然土は湿り、内部へ浸透していってしまいます。
棟下の漆喰です。今回は棟全体の漆喰が一つもない状態でした。さすがに全部土が露出している状態はとても棟が不安です。
残っている土に穴が何か所も空いていました。偶然落ちてしまったか鳥などがついばんで巣の材料にしたか・・・。
定かではありませんが、現状は「良くない」といえます。
瓦も全体をチェックしました。下地の状態があまり良くない為か歩くとガチャガチャ瓦が触ります。屋根を葺いた当時からあると思われる隙間や浮きも確認できました。吹き降りにこの隙間は弱いものとなります。
過去の補修跡です。瓦の割れではなく表面が剥がれてきたためだそうです。そうなんです。昔の瓦は今と違う製法で表層がバリっと剥がれたり割れたりします。強度も当然弱くなります。
築年数が経っているとなかなか高い予算はかけたくないものです。今回の点検結果から言うと一気に安心できる工事は葺き替えですが、最低限は漆喰補修と瓦の調整です。いずれも行えば雨漏れの解消につながると思いますが、やはり補修のみの場合だと後の不安が残ります。補修とはいっても瓦自体がそのままなので他の部分から・・、を繰り返す可能性があります。費用対効果に悩むところですが何か前に進めないと雨漏れのストレスというのは思った以上に溜まっていくものだと思います。同様の事案でお悩みまたはご検討中の方はお気軽に当社までお問い合わせください。
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